軽量コンクリート工法
軽量コンクリート工法の特徴
- 廃ガラス材から作られたミラクルソルは、比重を0.4~1.5に調整可能で、独立間隙構造を有するため、軽量で強固な特性を持つ。
- 内部の間隙が独立して存在するため、吸水率は一般的な人工軽量骨材よりも小さい。
- 粗骨材にミラクルソルを用いた場合、圧縮・曲げ強度は、比重が大きなものほど大きな値を示す。
比重の異なるミラクルソルの性質について
比重 (呼び名) |
最大骨材寸法 (mm) |
粗粒率 | 絶乾比重 | 表乾比重 | 吸水率 (%) |
圧縮強度 (N/mm2) |
---|---|---|---|---|---|---|
0.4 | 75 | 8.15 | 0.43 | 0.48 | 9.6 | 3.4 |
0.9 | 20 | 6.88 | 0.87 | 0.92 | 5.7 | 13.2 |
1.5 | 15 | 6.88 | 1.41 | 1.45 | 2.8 | 19.5 |
軽量コンクリートの強度について
置換率と圧縮強度の関係
置換率と曲げ強度の関係
(水セメント比W/C:45・55・65%、ミラクルソル比重:0.9・1.5)
製品例:側溝用蓋
ミラクルソルの比重を変えて作成した側溝用蓋の圧縮強度及び曲げ試験値を示す。比重が小さいと骨材自体の強度が小さいため強度は低下するが、曲げ強度の規格値は30kNであるため、比重が0.6以上の製品で規格を満たす。また、従来製品は製品質量が55kgfであるのに対し、ミラクルソルを用いた場合は10kg以上の軽量化ができる。
ミラクルソル比重 | 0.6 | 0.8 | 1.2 | 1.4 | |
---|---|---|---|---|---|
水セメント比 W/C (%) |
48.8 | 48.8 | 48.8 | 48.8 | |
単位量(kg/m3) | 水 W |
166 | 166 | 166 | 166 |
セメント C |
340 | 340 | 340 | 340 | |
細骨材 S |
829 | 829 | 829 | 829 | |
ミラクルソル G |
110 | 180 | 192 | 303 | |
製品強度 | 単位体積質量(t/m3) | 1.75 | 1.85 | 1.88 | 1.93 |
製品質量 (kg) |
41.2 | 43.0 | 43.3 | 45.0 | |
圧縮強度 (N/mm2) |
18.8 | 31.6 | 36.1 | 35.2 | |
曲げ試験 (kN) |
37.3 | 42.4 | 37.0 | 39.2 |
製品例:RC十字ブロック
- アンカーの受圧板は山間部の長大斜面に用いる場合が多く、重量があるとそれだけ運搬・施工が難しくなる。そのため、製品自体の軽量化を目的として、ミラクルソルを軽量骨材として用いたRC十字ブロックを作製した。
- 比重0.8のミラクルソルを粗骨材として用いた。軽量コンクリートの配合を表に示す。
- 供試体はφ10cm×H20cmである。材令7日で平均23.6N/mm2、材令28日で平均30.8N/mm2の圧縮強度を得ることができた。圧縮強度試験結果を表に示す。
- 従来のRC十字ブロックは質量W=760kgであるが、今回の製品はW=550kg(コンクリートの単位体積質量1.75t/m3)となり、約2/3に軽量化できた。したがって斜面に設置する場合施工が容易になり、運搬コストを縮減することができる。
配合表
水セメント比 W/C(%) |
単位量(kg/m3) | |||
---|---|---|---|---|
水 W |
セメント C |
細骨材 S |
ミラクルソル G |
|
44.9 | 205 | 457 | 674 | 297 |
圧縮強度
材令 | 供試体No. | 供試体質量(kg) | 平均供試体質量(kg) | 圧縮強度 (N/mm2) |
平均圧縮強度 (N/mm2) |
---|---|---|---|---|---|
7日 | 1 | 2.82 | 2.88 | 22.4 | 23.6 |
2 | 2.93 | 24.8 | |||
28日 | 1 | 2.82 | 2.74 | 32.2 | 30.8 |
2 | 2.69 | 30.8 | |||
3 | 2.72 | 29.4 |