水産養殖用ろ過材 クリスタルバイオ®
商標:第5266304号
クリスタルバイオとは
クリスタルバイオは、原料にガラス質基材を使用し、これを微粒子に粉砕して発泡剤を混合したのち、900℃焼成炉で軽量セラミック化したもので、桁外れの連続多孔質という特徴を持っています。
クリスタルバイオの特徴
- 優れた硝化作用
連続多孔質で桁外れの接触表面積(従来のプラスチック製ろ材の数倍~数十倍)を持つため、好気性バクテリアの繁殖が抜群。本品自体が弱アルカリ性で、pH緩衡機能を有するので、硝化によるpHの大幅低下を防ぎ、飼育水を弱アルカリ性に保つ。 - 容易なメンテナンス
粒径が10~50mmと小石状で、軽量であるため、どのようなろ過槽にも対応でき、ろ材の充填や水洗などの作業も容易。 - 加温の為の燃料費削減
魚にとって良い水質を維持することができるので、新水の注入量が少なくて済み、加温のための燃料費の削減につながる。
クリスタルバイオの形状
ろ過材形状
ろ過材内部顕微鏡写真
クリスタルバイオと一般プラスチックフィルターとの比較試験
浸漬ろ床方式の試験水槽
※NH4-Nは20mg/L、NO2-Nは40mg/Lを越えないように換水しています。
アンモニア性窒素
クリスタルバイオは、プラスチックフィルターよりもアンモニア性窒素濃度の低下が早く起きており、その後0.4mg/L以下と低レベルを保っています。一方プラスチックフィルターでは、2日遅れてアンモニア性窒素が1mg/Lまで低下するものの、その後また徐々に増加しています。これはクリスタルバイオの方が多孔質であるため、微生物の付着基材として優れており硝化作用の効果を発揮したものといえます。
※硝化(しょうか):アンモニアから亜硝酸や硝酸を生ずる微生物による作用を指す。アンモニアを酸化し亜硝酸を生ずるアンモニア酸化細菌、亜硝酸を酸化し硝酸を生ずる亜硝酸酸化細菌により反応が進む。
クリスタルバイオは、プラスチックフィルターよりもアンモニア性窒素濃度の低下が早く起きており、その後0.4mg/L以下と低レベルを保っています。一方プラスチックフィルターでは、2日遅れてアンモニア性窒素が1mg/Lまで低下するものの、その後また徐々に増加しています。これはクリスタルバイオの方が多孔質であるため、微生物の付着基材として優れており硝化作用の効果を発揮したものといえます。
※硝化(しょうか):アンモニアから亜硝酸や硝酸を生ずる微生物による作用を指す。アンモニアを酸化し亜硝酸を生ずるアンモニア酸化細菌、亜硝酸を酸化し硝酸を生ずる亜硝酸酸化細菌により反応が進む。
亜硝酸・硝酸性窒素
亜硝酸性窒素がアンモニア性窒素の酸化とともに増加しています。クリスタルバイオがプラスチックフィルターよりも早く増加しており、実験開始28日目ごろからクリスタルバイオが急激に低下しています。一方、プラスチックフィルターの濃度低下は5日も遅れる傾向を示しています。硝酸性窒素についても、30日目以降、クリスタルバイオが10mg/L以下と低くなっていますが、プラスチックフィルターは200~250mg/Lと槽内に蓄積しています。この違いはクリスタルバイオの内部で嫌気的な硝酸還元細菌、脱窒細菌が増殖し、亜硝酸性窒素、硝酸性窒素を脱窒したことによります。
※脱窒(だっちつ):窒素化合物を分子状窒素として大気中へ放散させる作用または工程を指す。窒素循環の最終段階であり、主に微生物によって行われる。
亜硝酸性窒素がアンモニア性窒素の酸化とともに増加しています。クリスタルバイオがプラスチックフィルターよりも早く増加しており、実験開始28日目ごろからクリスタルバイオが急激に低下しています。一方、プラスチックフィルターの濃度低下は5日も遅れる傾向を示しています。硝酸性窒素についても、30日目以降、クリスタルバイオが10mg/L以下と低くなっていますが、プラスチックフィルターは200~250mg/Lと槽内に蓄積しています。この違いはクリスタルバイオの内部で嫌気的な硝酸還元細菌、脱窒細菌が増殖し、亜硝酸性窒素、硝酸性窒素を脱窒したことによります。
※脱窒(だっちつ):窒素化合物を分子状窒素として大気中へ放散させる作用または工程を指す。窒素循環の最終段階であり、主に微生物によって行われる。
pH
クリスタルバイオのケースでは、pHを弱アルカリに保ち、その後のpH低下がゆるやかです。プラスチックフィルターのケースでは、pHは急激なpH低下が起きています。これはクリスタルバイオ自体が弱アルカリ性で、pH緩衡機能を有するので、硝化によるpHの大幅低下を防ぎ、飼育水を弱アルカリ性に保ちます。
クリスタルバイオのケースでは、pHを弱アルカリに保ち、その後のpH低下がゆるやかです。プラスチックフィルターのケースでは、pHは急激なpH低下が起きています。これはクリスタルバイオ自体が弱アルカリ性で、pH緩衡機能を有するので、硝化によるpHの大幅低下を防ぎ、飼育水を弱アルカリ性に保ちます。
クロマグロ飼育研究施設実施例
独立行政法人水産総合研究センター西海区水産研究所が新設したクロマグロ飼育研究施設施設内の生物ろ過棟(平成25年7月稼動開始)に、”クリスタルバイオ”が採用されました。クリスタルバイオの多孔質構造が、魚から排出されるアンモニアを分解する硝化細菌の生息環境に最適なことと、今回の施設のろ過材の量に対して短期間に安定供給できるという理由から選定され、水産総合研究センターから高い評価を受けています。今回採用のクリスタルバイオは比重1.1以上で水に沈む”沈降タイプ”のもので、数量も多く190m3使用されています。
クロマグロ飼育研究施設浄化システムイメージ図
(アクアネット2011.5(独)水産総合研究センター屋島庁舎山本義久「閉鎖循環飼育の未来と可能性」より抜粋)
(アクアネット2011.5(独)水産総合研究センター屋島庁舎山本義久「閉鎖循環飼育の未来と可能性」より抜粋)
生物ろ過棟全景
生物ろ過槽底面
クリスタルバイオ充填状況
ろ過材かご
生物ろ過棟上部
生物ろ過槽内部(運転状況)
(独)水産総合研究センター西海区水産研究所 長崎県長崎市
アコヤ貝種苗生産槽実施例
アコヤ貝の種苗生産に、水産養殖用ろ過材”クリスタルバイオ”が採用されました。クリスタルバイオは、ろ過槽の砂よりも多孔質で比表面積が大きく、特に比重0.4のクリスタルバイオは軽量で取り扱いしやすいという理由から選定されました。
アコヤ貝種苗生産槽浄化システムイメージ図
ろ過槽外観
海水取水口
ろ過槽内部
(株)上村真珠 長崎県壱岐
久留米市内養鯉場実施例
浄化システムイメージ図
250m3池
散水ろ床方式
250m3池
浸漬ろ床方式
(写真提供:(株)尾形養鯉場)
クリスタルバイオの海外への輸出状況
世界13ヶ国に合計1,000m3を輸出
クリスタルバイオ製品規格
商品名 | 容量(L) | 粒径(mm) | 比重 | 吸水率(%) |
---|---|---|---|---|
CB-1000(L) | 1,000 | 30~50 | 0.40±0.05 | 100以上 |
CB-1000(M) | 1,000 | 20~30 | 0.40±0.05 | 100以上 |
CB-1000(S) | 1,000 | 10~20 | 0.40±0.05 | 100以上 |
CB-100(L) | 100 | 30~50 | 0.40±0.05 | 100以上 |
CB-100(M) | 100 | 20~30 | 0.40±0.05 | 100以上 |
CB-100(S) | 100 | 10~20 | 0.40±0.05 | 100以上 |
CBS-1000 | 1,000 | 10~50 | 1.40±0.2 | 50以上 |
CBS-100 | 100 | 10~50 | 1.40±0.2 | 50以上 |
※CBSシリーズは、沈降タイプとなります。
クリスタルバイオ製品荷姿
CB100系
CB1000系