平成22年度第1回地盤工学セミナー |
概要
平成22年7月23日、アバンセ(佐賀県立生涯学習センター)大ホールに於いて、
(社)佐賀県地質調査業協会主催、(社)地盤工学会九州支部佐賀地区共催による
平成22年度第1回地盤工学セミナー「地盤材料・地盤技術の新たな展開」が開催された(CPDS認定学習プログラム)。
当日は、産学官から約80名の参加者があった。
初めに、当社の企画開発戦略本部 技術研究所 地盤環境研究室 主任の牛原裕司が
「間伐材の活用技術」と題して、地球温暖化の現状や間伐材を使う意義、
間伐材を活用した技術の紹介や木材を用いる際の注意点を説明した。
続いて、当社代表取締役の原 裕(佐賀県地質業協会理事長)が「新地盤材料・ミラクルソルの活用技術」と題して、
発泡廃ガラス(FWG:ミラクルソル)を用いた底質改善および水質浄化工法、
軽量盛土工法や斜面・屋上緑化工法について、室内試験による力学的・物理的特性と施工事例について説明した。
最後に、当社技術戦略本部 統括本部長の林重徳(佐賀大学名誉教授)が、
「地盤技術の生物地圏環境分野(底質改善)への展開」と題して、
有明海異変の問題について解説し、生態系を回復させるための底質改善技術について、
これまでに実施してきた研究開発(実証試験)結果を用いて説明した。
私自身、このような場所で講演するのは初めてで非常に緊張したが、良い経験をさせていただいたことに感謝いたします。
企画開発戦略本部 技術研究所 地盤環境研究室 牛原裕司 記
プログラム
13:00~13:05 |
佐賀県地質調査業協会 理事長 原 裕 |
13:05~14:15 |
間伐材の活用技術 牛原裕司 氏(日本建設技術株式会社 主任) 我国の山地部に大量に分布する間伐材の利用促進は、温暖化や地域環境の対策として焦眉の課題である。間伐材の実態と有効利用の意義を示すとともに、チップ化間伐材の利用技術(設計・施工方法と維持管理手法等)について、幾つかの工法と事例を説明する。また、間伐材をそのまま活用する「Raft & Pile 工法」に関する施工技術の概要を説明する。(「Raft & Pile工法」に関する筏の構造メカニズムと施工方法、設計解析例、現地試験の事例等については、8月の講習会で講演の予定である。) |
14:15~14:25 |
休憩
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14:25~15:35 |
新地盤材料・ミラクルソルの活用技術 原裕 氏(日本建設技術株式会社 社長) ワインボトルや化粧瓶等の廃ガラスから製造される発泡廃ガラス(FWG:ミラクルソル)は、水質浄化材や底質改善材、さらに斜面や屋上緑化の保水材、軽量盛土材など多様な利用方法がある。FWGの多様な利用技術に関連して、その設計・施工方法と維持管理手法等について、工法と事例を説明する。 |
15:35~15:45 |
休憩
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15:45~16:55 |
地盤技術の生物地圏環境分野(底質改善)への展開 林重徳 氏 (日本建設技術株式会社、佐賀大学 名誉教授) 二枚貝がほぼ絶滅した干潟において底棲生物・二枚貝を回復させるための底質改善技術を研究開発した。そこでは、シンウォールチューブやポータブルコーン貫入試験機等を用いた調査から土嚢による囲繞堤の築堤技術や耕耘混合による底質改善の施工技術、更に高含水比堆積底泥の含水比を低下させるための大気圧密工法など多様な地盤技術が援用されている。既存地盤技術の調査・施工方法や維持管理手法等の新分野への展開を実例により紹介する。 |
16:55~17:00 |
佐賀県地質調査業協会 副理事長 真弓幸慈 |
九建日報(2010.7.27)
佐賀建設新聞(2010.7.27)
C-net通信さが(2010.7.28)