第2回 建設業と農林水産業の
連携シンポジウムにて発表

 平成29年2月3日(金)に、農林水産省の7階講堂において建設トップランナー倶楽部主催による、第2回目のシンポジウムが開催された。

 当社代表取締役社長の原は、5番目にプレゼンテーションを行い「ミラクルソルによる有明海再生と間伐材利用の軟弱地盤対策」として以下の2演題について発表をした。

シンポジウム冊子
シンポジウム冊子
当社論文掲載ページ
当社論文掲載ページ P10~P11
  1. 有明海湾奥部干潟域におけるミラクルソルを用いた底質改善効果
    1. 底質改善材としてFWGや砂を耕耘・混合することで、AVS濃度が低下する効果を確認した。
    2. FWGを用いることで、波浪・台風による巻き上げや耕耘により生じる硬い砂層の形成を抑制する効果について確認した。
    3. 砂層形成の抑制効果により、FWGを底質に耕耘・混合することは、アゲマキの棲息に適した底質環境を維持するための一手法となりえる。
    4. 有明海は最大6mの干満差があり、満潮時には約6t/㎡の圧力が底質にかかり、干潮時には0t/㎡に減圧される。したがって1日2回の干満時に、ミラクルソルが底質内で呼吸をし、アゲマキ貝の生育に効果が発揮された。
底質改善試験の説明
底質改善試験の説明
底質改善効果
底質改善効果
  1. 間伐材を活用した軟弱地盤補強工法(ラフト&パイル工法)
    1. 木材基礎は、地下水環境が海水・淡水に拘わらず、また木材の樹種によらず、地下水位以下に保持することによって、数百年を超す耐久性を確保できることが実証されている。
    2. 直径や長さの不揃いな間伐材だけではなく、強風で揉まれた木や根曲がりした木等、通常の木材としての利用に不向きな木材も、ラフト(筏)材として利用することが可能である。
    3. 多層のラフトを組むことにより、版構造の基礎を構築することができ、かつラフトの縦材および横材の層数と本数等を変化させることで、設計段階での版の剛性を二次元的にコントロールすることが可能である。
    4. パイル(列杭)頭部の変位をタイロッド等で抑止し、かつラフト基礎と一体化することで、盛土時の側方流動を効果的に抑制することができる。
    5. パイルの列数と本数および杭の間隔や長さ等は、事前の地盤調査の地質状態に応じて効果的な設計を行うことができる。
    6. 軟弱地盤における版構造のラフト基礎は盛土の底部破壊を抑止し、盛土内破壊を発生させない範囲で、盛土の急速施工が可能である。
    7. 版構造のラフト基礎と一体化したパイルは、当然地震時においても効果的に盛土の破壊を抑止できるとともに、液状化する地盤上の盛土では沈下や変形、側方流動に対する高い安全性を確保することができる。
    8. 両パイルの内側・ラフト基礎下の地盤に、バーチカルドレーン工法や大気圧密工法を併用することにより、周囲への影響低減と工期短縮など、より効果的な設計・施工が可能である。
    9. 線形構造物の盛土等を横断する道路や水路・樋管等のカルバートボックスを、ラフト基礎に抱き込む形で設置することで段差や変形差を抑制することが可能である。
山林
冊子「山林」大日本山林会 2015年6月号
当社掲載ページ
当社論文掲載ページ P26~P35

 発表には、関係省庁より3名のアドバイザーが出席
  林野庁 森林整備部長 織田 央 氏
  水産庁 増殖推進部長 保科 正樹 氏
  国土交通省 大臣官房技術審議官 五道 仁実 氏

 発表後、アドバイザー 織田氏より、「間伐材のマニュアルにラフト&パイル工法を検討したい」との評価をいただいた。

建通新聞(2017.2.6)
佐賀建設新聞(2017.2.9)

会場の様子
会場の様子
主賓挨拶の様子 農林水産省 農林水産事務次官 奥原 正明 氏
主賓挨拶の様子
農林水産省 農林水産事務次官 奥原 正明 氏
趣旨挨拶の様子 建設トップランナー倶楽部代表幹事 米田 雅子 氏
趣旨挨拶の様子
建設トップランナー倶楽部代表幹事 米田 雅子 氏
発表の様子 日本建設技術㈱ 原社長
発表の様子
日本建設技術㈱ 原社長
キーワード:
建設トップランナークラブ,農林水産省,シンポジウム,発表
ミラクルソル工法 特殊工法