令和5年度第31回技術研修会
「環境と防災と維持管理技術」を開催

 令和6年2月8日、唐津市文化体育館 文化ホールにて、令和5年度第31回ミラクルソル協会主催による「環境と防災と維持管理技術」技術研修会(共催:佐賀県ジオファイバー協会・佐賀県ニューレスプ協会・SSLアンカー協会、後援:(一社)唐津建設業協会・(一社)佐賀県地質調査業協会)を開催し、官公庁・高校生・地元建設コンサルタント、建設業者、ミラクルソル協会員等、145名の方々が参加した。

【9:00 ~ 10:30】
 冒頭、ミラクルソル協会理事長の原裕(日本建設技術㈱社長)は、「本日は年度末のお忙しい時に多くの方にご参加していただきありがとうございます。本日の研修会は、官公庁・高校生・コンサルタント・建設業者・ミラクルソル協会員等145名の出席をいただいています。また共催として佐賀県ジオファイバー協会・佐賀県ニューレスプ協会・SSLアンカー協会また今回から唐津建設業協会・佐賀県地質調査業協会から後援をいただいています。最後までのご聴講を宜しくお願いします。」と挨拶した。

講演の様子 ミラクルソル協会理事長 日本建設技術㈱ 社長 原 裕
講演の様子
ミラクルソル協会理事長
日本建設技術㈱ 社長 原 裕
 原 裕 理事長の講演は、「ミラクルソル工法でグリーン社会への構築」と題し、今から半世紀ほど前までは気温が30℃を超えることはほとんどなかったが今では30℃を超え40℃に迫るようになってきた。発注機関についても費用だけではなく環境負荷を低減できる工法を採用してほしい。社会全体で温暖化について考えていく必要があるのでないか。と説明した。2023年7月10日唐津市浜玉町で発生した土砂災害についてまた、大規模造成の盛土箇所においても、定期的な点検やメンテナンスが必要ではないかと説明しFWG盛土造成と排水工法について解説した。また、環境工法の説明では、FWG・ウッドチップ工法について、現場発生木材・間伐材をチップ化しミラクルソル(2~10㎜)を混合させた基盤材を法面吹付工に使用することで木材の処分費用等が掛からない工法であると説明した。ミラクルソル工法では、環境負荷低減にミラクルソルの特徴・特性を説明し、FWG・透保水性舗装工法・インターロッキングブロックの、効果や路面温度の低下の仕組みなど実例を交えて説明した。藻場再生のための着生基盤材の提案としてミラクルソルを二次製品に接着した供試体を唐津市内の漁港に設置した実証試験の結果を解説した。
講演の様子 サンスイ・ナビコ㈱営業開発部 和田 亮 主任
講演の様子
サンスイ・ナビコ㈱営業開発部
和田 亮 主任
講演の様子 サンスイ・ナビコ㈱九州営業所 堀江代理
講演の様子
サンスイ・ナビコ㈱九州営業所
堀江 靖 所長
【10:30 ~ 12:00】
 サンスイ・ナビコ㈱営業開発部 和田 亮 主任、九州営業所 堀江 靖 所長は、「グラウンドアンカー健全度調査事例及び、SSL・Fixrグラウンドアンカー工法の紹介」と題し、既設アンカー(特に1988年以前)の問題点を説明し、2012年に発生した笹子トンネル天井板崩落事故等を受けて国土交通省より道路土木構造物のメンテナンスに関する動きとして総点検実施要領(案)が通達され各道路管理者へ、のり面・土木構造物の変状を把握するために実施され2017年8月「道路土工構造物点検要領の制定」された事を説明し、今まで実施したアンカー健全度調査の実施例を紹介した。また、SSL・Fixrグラウンドアンカー工法ではSSLアンカー工法の開発動機及び、先端圧縮型、拡孔支圧型の解説。Fixrアンカー工法では既存のアンカーとの違いやメリット、斜面・アンカー変状計測システム「ECOM」の説明では、設置後の計測ボックスの読み取りには技術等は必要なく、ほぼ永年使用可能で電源も必要としないと説明した。
講演の様子 ミラクルソル協会顧問 荒木宏之
講演の様子
ミラクルソル協会顧問 荒木 宏之
【13:00 ~ 14:30】
 荒木 宏之 顧問の講演は、「多機能土木材料ミラクルソルの環境分野における役割」と題し、自然の浄化機能の図解を示し物理的作用、物理・化学的作用、生物的作用を解説され、この応用として浄水(上水道)、汚水処理(下水道)、水域(直接)浄化法の説明された。水質浄化法での各種接触材を用いた接触(曝気)法で自然物理・化学・生物的浄化能力の強化推進として様々な浄化法式施設での方式を解説し、ミラクルソルと様々な接触材(ろ過材)の比較結果を説明され、ミラクルソルの優秀さ汚濁河川等への適用力の高さを強調された。また、施工事例を提示し河川水の浄化率を解説し「8時間程度の浄化時間で河川に放出しても問題ない数値まで低下させることが出来る」と説明された。また、ミラクルソルの発展の例としてゼオライト化ミラクルソルの浄化特性を説明された。
講演の様子 (一財)砂防フロンティア整備推進機構 今井一之理事
講演の様子
(一財)砂防フロンティア整備推進機構
今井 一之 理事
【15:00 ~ 16:30】
 特別講演では(一財)砂防フロンティア整備推進機構 今井 一之 理事により「砂防関係事業及び施設の維持・管理とソフト対策」と題し、先ず1月1日に発生した能登半島地震に関係した最新の情報を説明された。ハード対策の例として兵庫県での昭和13・42年、平成30年での同程度の豪雨災害での被害状況を解説され、昭和13年災害では約12万戸・約700人の人命が失われたが、災害直後より直轄砂防事業を開始し砂防堰堤を545基等を整備した結果、平成30年での同規模豪雨で人的被害は発生せず、未然に防止できたと説明されハード対策の重要性を解説された。またソフト対策としては地域社会の「いのち」と「くらし」を守る対策として、地域主体の自助・共助による避難の重要性を説明され、行政(公助)には限界があり、まず自分(家族)は自身で守ることの重要性を改めて考え、それを行政が全力でサポートしてゆくと説明され、ハード・ソフト一体となった流域治水型砂防事業を展開し、社会全体の強靭化を図ると説明された。また、子供たちへの防災学習支援では防災教育の実践・知識の習得に取り組むことの重要性を説明された。
講習会の様子
会場の様子
質疑応答の様子
質疑応答の様子
パネルディスカッションの様子
パネルディスカッションの様子
日本建設技術㈱パネル
日本建設技術㈱パネル

企画情報推進本部 武冨 友徳  記

九建日報(2024.02.09)
佐賀建設新聞(2024.02.10)
建設通信新聞(2024.02.14)
C-net通信さが(2024.02.21)

キーワード:
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